須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成22年8月号掲載
超短納期

第112回経営研究会において、「エーワン精密」という企業について勉強しました。この企業は、「日経トップリーダー」という経営者向けの雑誌にたびたび取り上げられている会社です。あまり気にもかけていなかったのですが、「カンブリア宮殿」というTV番組にも取り上げられたため見てみました。

 ところがとんでもない会社でした。創業以来37年間、バブル崩壊やデフレ不況などに見舞われても、売上高経常利益率は一度も35%を下回ったことがなく、平均すると41.5%という驚異的な数字となっています。経常利益は特別損益がない場合、税引前当期純利益と同額となりますので、いかにすごい数字かが解ると思います。その結果、借入金はゼロ、自己資本比率は90%超となっています。
 それを支えているのが「超短納期」です。標準品ならば、顧客からの注文が本社に届いてから、5分後には工場で製造が始まり、その日に受けた注文の7割は、当日のうちに宅配便で発送してしまうということです。

 私は、この「超短納期」と言う言葉を聞いてハットしました。差別化を図るため、独自の技術を持たないといけないとか、中小企業においては人も金もないから独自の技術など無理だといった言葉ばかりを良く耳にしていたからです。

 「納期」を短縮するということはどのような業種においても共通のテーマと言えます。納期が早くて、あるいは仕事を早く終わらせてお客様から叱られることはありません。逆に納期・仕事が遅くてお客様から叱られたり、仕事そのものを失ったということは多々あります。
 従って、誰にでも取り組める納期の短縮というテーマはすぐにでも取り組むべき課題と言えるのではないでしょうか
                                                 所長 須田幸英
 事務所通信8月号掲載
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